ジョブ型雇用を導入している日本の企業・事例一覧

近年、働き方改革による柔軟な働き方の拡大や労働市場の活性化が進む中で、企業側のタレントマネジメント施策の一つとして「ジョブ型」制度の導入が進んでいます。

本記事では、ジョブ型雇用を推進している日本企業を、公開情報ベースで整理します。

なお、以下の記事では、新卒を対象にジョブ型採用を行う企業を整理しています。合わせてご覧ください。

日立製作所

時期

  • 2020年5月:ジョブ型制度導入の発表
  • 2020年6月:トライアル職場でのジョブディスクリプション作成
  • 2021年4月:ジョブ型人事制度の運用開始
  • 2024年:関連制度・仕組みの整備

概要

  • ジョブディスクリプション(JD)の導入(職務/組織の見える化)
    ※300~400種類程度を作成予定
  • タレントレビューの導入(人財の見える化)(2021年3月まで)
  • 1on1の導入と定着(2021年3月目途)
  • 自律的キャリア意識醸成のためのセルフアセスメント展開(2020年10月~)

関連制度・環境整備

  • IT環境の整備
    • 多くの従業員が会社以外のリモート環境で業務可能なIT環境の整備
      • リモートアクセス環境の整備拡大
      • 自宅で勤務可能なノート型PCの貸し出し
    • Skype、Microsoft Teamsなど会議サポートシステムの活用方法のガイド
      • 利用方法やトラブル対応窓口の設置
  • 在宅勤務長期化に対応した従業員の健康支援
    • 産業医などによるリモート相談窓口の設置
    • 心身の健康維持のための情報提供を行うイントラネットサイトの開設
    • 健康保険組合の個人ポータル機能を活用した、従業員の健康増進取組み支援
  • コミュニケーション活性化ツールの提供
    • 「Remote-Work Together」(リモートワークの工夫・取組共有)の開始(現在展開中のスマホアプリ「Happiness Planet」に、その機能を追加)

参考

KDDI

時期

  • 2020年7月:ジョブ型人財マネジメントの導入リリース
  • 2020年8月:中途採用正社員に適用
  • 2021年4月:管理職2400人及び新卒社員に適用
    ※その他1万人は労働組合との協議を経て導入予定

概要

  • KDDI版ジョブ型 ―プロを創り、育てる制度
    • 市場価値重視、成果に基づく報酬
    • 職務領域を明確化し、成果、挑戦、能力を評価
    • Willと努力を尊重したキャリア形成
    • KDDIの広範な事業領域をフル活用した多様な成長機会の提供
    • 「企業の持続的成長」と「ともに働く人の成長」

関連制度・環境整備

  1. 社内DX
    • オフィス環境整備
      • 虎ノ門に新オフィスを開設。フリーアドレスを導入し、座席数を6割に削減
      • オフィスの位置づけをハブオフィス/サテライトオフィス/ホームに再定義。業務内容に合わせて働く場所の選択を可能に
    • IT環境整備
      • リモート会議を前提とした会議室のIT化
      • リモートアクセス環境向上のための設備増強
      • クラウド会議システムの拡充
      • セキュリティを強化した社外持ち出し業務用ノート型パソコンを全社員向けに整備
      • 派遣社員向け在宅勤務用パソコン・ネットワーク環境の整備
  2. KDDI新働き方宣言
    • 従来のオフィス勤務を前提とした勤務形態から、テクノロジーを活用し、働く時間や場所にとらわれず成果を出せる柔軟な働き方に変革するための環境整備、制度改革を促進
    • 役職や組織などによらず垣根を越えたコラボレーションを進め、オープンに知見を共有するカルチャーへの改革を促進
    • 働き方とカルチャーの改革を通じ、社員の能力発揮を最大化し、エンゲージメントを高め、企業の持続的な成長を目指す

参考

富士通

時期

  • 2020年4月:幹部社員に対してジョブ型人事制度導入
  • 2022年4月:一般社員(45,000人)に対してジョブ型人事制度導入

概要

  • 新たな人事制度の概要:一人ひとりの職務の明確化と、職責の高さに応じた報酬により、従業員の主体的な挑戦と成長を後押し
    • Job Description(職務記述書)」:従業員一人ひとりの職務内容について、期待する貢献や責任範囲を記載
    • FUJITSU Level」:職責の高さを表す富士通グループグローバル共通の仕組み。レベルに応じた報酬水準とすることで、より高い職責へのチャレンジを促進
    • Connect」:社会や顧客へのインパクト・行動・成長を評価するグローバル共通の評価制度
  • 職責ベースの報酬体系
    • グローバル共通の基準「FUJITSU Level」で、職責を7段階(SVP、VP、15~11)で格付け
    • 月俸はFUJITSU Levelごとに定額。FUJITSU LevelのUp/Down時に報酬改定
    • 報酬水準は、市場価値をベンチマークしながら適宜見直し
    • 役職解任の運用を見直し、ポストオフ・ダウングレードを実施

関連制度・環境整備

  • テレワーク勤務制度
    • 対象者/対象職場:組織単位の適用とし、自律的・計画的に働ける社員を対象
    • 利用回数:利用回数の制限は設けない。ただし、終日テレワークで勤務する場合は、原則2回/週まで。
    • 利用時のルール:上司への事前連絡の徹底。始業時/終業時の業務予定・実績の報告
    • 時間外のルール:休日や深夜勤務時間帯はテレワーク原則禁止。終日テレワークの場合は8時間以内
  • ポスティング制度
    • 人材の流動化 / 多様性の向上、適所適材の実現、オープンでチャレンジングな風土醸成を目的にポスティングを拡大
    • 2021年4月~12月の実績は以下の通り。
      • 随時募集
        • 募集ポジション:2,254
        • 応募人数:3,471
        • 合格人数:1,192
      • 一斉募集(新任幹部社員登用)
        • 募集ポジション:660
        • 応募人数:1,030
        • 合格人数:578

参考

資生堂

時期

  • 2015年10月:役割等級制度を国内の一部管理職に導入
  • 2020年1月:改訂版ジョブグレード制度を国内の一部管理職(約1700人)に適用
  • 2021年1月:改訂版ジョブグレード制度を国内の一部一般社員(約3800人)対象拡大

概要

  • ジョブ型人事制度
    • 2021年から日本国内の管理職・総合職(美容職・生産技術職を除く)を対象としたジョブ型人事制度を導入
    • 以下4項目により、社員のレベルを図るものさしを個人の「能力」から「職務(ジョブ)」に移行し、グローバルスタンダードに沿った客観的な格付けや処遇を実施。
      1. 社員が目指すべき専門性の領域をジョブファミリー(JF)としてグローバルで明確化。
      2. それぞれのジョブファミリーに必要な専門性とスキルを、ファンクショナル・コンピテンシー(FC)として明示。
      3. 管理職だけでなく一般職も含めた全階層にジョブグレード(JG)を導入。
      4. グレード判定の基準となるジョブ・ディスクリプション(JD)を明示(部署ごとにジョブ・ディスクリプションを作成することで日本の労働慣行に沿って組織変更やアサインメント変更に対しても対応できるよう考慮)。
  • ジョブグレード制度
    • 20以上のジョブファミリー(JF)を作成。
    • ファミリーごとにジョブディスクリプションを明確化。1つのファミリーの中で働くことを前提に採用・育成。
    • 同一ジョブにも役割等級があり、役割に応じて期待されるジョブを明確に定義するジョブディスクリプションを作成。

関連制度・環境整備

  • 人事クラウドサービス「SAP Factors」を導入。
  • 「資生堂ニューワーキングスタイル」を宣言
    • 働く場所を選べる制度を導入:店舗や工場勤務以外の従業員は、「生産性の3割向上を目指す」「そのためには出社しなくても、どこでも働いてもよい」

参考

Panasonic

時期

  • 2022年4月:持株会社への移行に合わせて「ジョブ型」を人事制度に導入
  • 2022年4月~:初期配属の職種を確約する新たな採用体系を導入

概要

※詳細は不明

参考

双日

時期

  • 2021年3月:ジョブ型雇用を採用した「双日プロフェッショナルシェア」を設立
  • 2021年7月:業務開始

概要

  • 新会社「双日プロフェッショナルシェア」の設立
    • ジョブ型の必要性が高い人材に対して優先的にジョブ型を適用するため、新会社を設立。最終的には全社(単体2550名)へのジョブ型雇用導入を目指す
    • 新会社転籍者は、副業や兼業などキャリアの幅出しをしたい社員、介護などの制約がある社員を想定。初年度は20人程度を想定し、35歳以上に限定
  • 新会社におけるジョブ型雇用の概要
    • 新会社では週2~3日勤務という働き方を容認
    • 社員が「どう働きたいか」に基づいて、個別に職務(ジョブ)や働き方を決めていくという仕組み(全社共通のジョブディスクリプションは設けない)
    • スタート時は職務給を導入せず、転籍前の役割等級と業務内容を考慮し、報酬を決定。本人の貢献評価をレビューし、来年度はそれに見合った報酬を提示
出典:双日株式会社「商社初の ジョブ型高度人材ファーム『双日プロフェッショナルシェア(SPS)』の新設」

 関連制度・環境整備

  • 双日の社業に関連した副業・兼業を許容
  • 独立・起業支援制度を整備
  • 「双日アルムナイ」制度を整備
  • キャリアの棚卸をする中でリカレント教育が必要な場合、1人当たり最大100万円を支援

参考

三菱ケミカル

時期

  • 2017年:職務等級制度を導入
  • 2020年10月:管理職5000人を対象にジョブ型人事制度を導入
  • 2021年4月:一般社員12000人を対象にジョブ型人事制度を導入

概要

  • 管理職向けのジョブ型人事制度
    • ジョブディスクリプション(職務記述書)を作成し、定義した職務への成果で処遇を決定
    • 管理職社員一人ひとりのポジションを「専門知識」「事業の知見」「リーダーシップ」など7つの観点から評価し、グレーディング
  • 一般社員向けのジョブ型人事制度
    • 職務をベースとした役割等級制度を導入
    • 異動の社内公募制を導入(人事異動は原則として社内公募によって実施)

参考

コメント

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