大学数・学生数の推移

近年は、大学数が増加し、だれでも大学に進学できる「大学全入時代」と呼ばれるようになっています。一方で、大学ごとの格差や過度な大学数の増加など、多様な課題も指摘され始めています。
本記事では、上記の背景を明確にすべく、戦後からの大学数・学生数の推移に関するデータを確認したいと思います。
※以下で紹介するデータは、2020年11月29日の学校基本調査の結果を参照しています。
文部科学省「学校基本調査」

本記事のまとめ
  • 2020年の大学数は795校。直近10年は私立大学が微増。
  • 2020年の学生数は約292万人。公立・私立大学が微増の傾向。
  • 2020年の学生に占める男性比率は56%。1950年の92%から一貫して減少傾向。

大学数の推移

大学数の推移は以下グラフの通りです。

10年ごとの推移表は以下の通りです。

国立大学は、1949年に68校の設立後、2003年の最大100校まで微増し、そこから減少を続け、2008年に86校となってからはそのまま変化なく推移しています。
公立大学は、1950年から1990年頃まではほとんど増加していませんが、1990年以降に一気に増加、2006年には国立大学の数を超え、2010年には1980年の約三倍となる95校が設置されています。2020年現在では94校となっています。
私立大学は、国公立大学と比較して数が非常に多く、特に1960年代や1980年代後半~2000年代前半は高い増加率で推移しています。2000年代後半からは微増傾向、年度によっては減少しているものの、2020年には過去最大の615校となっています。
全体としても私立大学と同様の増加傾向となっており、2020年では過去最大の795校となっています。

学生数の推移

続いて、大学の学生数の推移グラフ及び表は以下の通りです。

基本的には、大学数の増加率と同様の増加・減少傾向となっており、2020年時点では、国立大60万人、公立大16万人、私立大216万人、計292万人が在籍しています。ここ10年程度の間では学生数に大きな増減はないが、2019年に過去最大の291.9万人となり、2020年は微減しています。
そして、男性比率に関しては、1950年には92%と圧倒的に男性が多かったですが、以降は常に減少傾向となり、2020年には56%まで低下しています。

また、1大学あたりの平均学生数について、設置者別で算出すると以下の通りです。

設置者別で大きく違いがあり、2020年時点で、国立大が6966人/校、公立大が1686人/校、私立大が3510人/校となっています。これらは、設置形態ごとの大学規模の差を示しており、国立は大規模、公立は小規模な大学が多いといえます。特に、国立大学については、2010年代まで継続的に1校あたりの学生数が増加しており、2010年に最大値である7268人/校となってからは減少傾向にあります。
私立大学については、国立より大規模のマンモス校もあるものの、全体としてみると小規模校が多数を占める為、国立大より平均学生数が少ないという結果となっています。

おわりに

大学数の増加は、私立大学の増加が背景にあり、特に1960年代や1980年代後半~2000年代前半における増加が顕著です。また、全体への影響は大きくないものの、1990年以降には公立大学も顕著に増加しています。

一方、学生数については、2010年頃まで増加を続けていますが、国公立大学の1校あたり学生数(≒定員数)の増加、私立大学については大学数の増加が、学生数増の背景であるといえると考えられます。

高卒・大学卒の所得差を考えると、大学数・学生数が増加することは、日本のGDP拡大につながるという良い側面をもっていると考えられます。
一方で、単に大学数・学生数が増えれば良いというわけではなく、大学在学中に学生がどれだけ成長したか、人的資本の蓄積にどれだけ大学教育が影響を及ぼしたか、という点が重要となるのではないでしょうか。
その意味で、大学数・学生数増加の良し悪しは、数のみではなく、大学教育の質を測る様々な指標について、さらに細かな切り口で確認していく必要があります。

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